俺は、カオルを抱きしめた。その身体に腕を回すと、カオルは驚いたように息をのむ。だが、すぐに俺の膝の上に乗り上げるようにして、ぱっと花が咲くような笑顔を見せた。その輝きは、俺の心を温かい光で満たしていく。
カオルが俺の顔を覗き込むように振り向くと、甘い香りがふわりと鼻腔をくすぐった。シャンプーの、昔と変わらない懐かしい匂い。カオルの目が、俺の瞳をじっと見つめている。そして、やわらかい唇が、そっと俺の唇に押し当てられた。
それは、鳥の羽のように軽くて、一瞬で終わるものだった。だが、カオルの唇が離れた後も、その温かさと柔らかい感触が、俺の唇に残り続ける。俺は、まるで夢を見ているかのようだった。長年想い続けたカオルからの、突然のキス。喜びと戸惑いが、俺の心をかき混ぜる。
「ん……」
カオルは、もう一度だけ、俺の唇にキスをした。今度は、少しだけ熱を帯びた、吸い付くようなキスだ。その熱が、俺の身体中にじんわりと広がっていく。カオルの吐息が、俺の唇にかかり、甘い匂いを運んできた。俺は、その香りを胸いっぱいに吸い込み、カオルを抱きしめる腕に、さらに力を込めていた。
「それって……襲っちゃっても良いってことなのか?」
俺の声は、掠れて震えていた。カオルは俺の膝の上で、嬉しそうに身じろぎする。
「えへへ♪ それって、わたしを襲ってくれるってこと?」
カオルは、子猫のように甘い声でそう囁くと、俺の首に腕を回した。その瞳は、期待と少しの照れでキラキラと輝いている。
「わたしは……ずっと待ってたから……いいよ?」
彼女の言葉に、俺はもう、何も考えられなくなった。カオルの柔らかな身体が俺に密着し、甘い香りが俺の理性を完全に焼き尽くしていく。俺は、カオルの首筋に顔を埋め、深く息を吸い込んだ。
俺の膝の上で、カオルは甘い声でそう囁くと、俺の首に腕を回し、顔を覗き込むように振り向いた。その瞳は期待に潤み、子猫のように甘く細められている。そして、俺の唇に、もう一度、熱を帯びた唇を重ねてきた。
ちゅ、と小さなリップ音を立てて、カオルの舌先が俺の唇を優しくなぞる。それはまるで、長年閉ざされていた扉をそっと開けるような、遠慮がちな仕草だった。俺がそっと唇を開くと、カオルの柔らかい舌が、恐る恐るのように俺の口内へ滑り込んでくる。
ん、んん……、とカオルは甘く息を漏らし、俺の舌と絡み合った。そのキスは、さっきまでの無邪気なものではなく、お互いの長年の想いを確かめ合うかのような、深い口づけだった。二人の吐息が熱を帯び、甘い香りが混ざり合っていく。
カオルは、俺の首に回した腕に、さらに力を込めた。その小さな仕草から、俺への深い想いが伝わってくる。そして、んんっ……、と喉の奥から小さな喘ぎが漏れ出ると、カオルは俺の唇からわずかに顔を離し、潤んだ瞳で俺を見つめた。
「ん……ユウくん……」
カオルの掠れた声が、俺の耳元で響く。俺は、その声に突き動かされるように、カオルの華奢な背中に手を回し、さらに強く抱きしめた。
カオルとのキスは、俺の理性を完全に焼き尽くした。高鳴る心臓のままに、俺は彼女の薄水色のショートパンツに手をかけた。布地が擦れる、がさ、という乾いた音がやけに大きく響く。
カオルは、んんっ……と甘い声を漏らし、俺から視線を逸らした。その頬は、恥ずかしさで桜色に染まっている。俺は、その華奢な腰に手を回し、ショートパンツを横へとゆっくりとずらした。白く滑らかな太ももが露わになり、俺の視界に飛び込んでくる。そして、その間には、白いレースのショーツが、彼女の可憐な割れ目を隠すように収まっていた。
長年、憧れ続けたカオルの身体。それを今、俺は、この手で触れようとしている。その事実に、俺の指先が震えた。ゆっくりと、ショーツの上から、カオルの秘部に指を這わせる。つるりと滑らかな布地の感触が指先に伝わる。
俺の指が割れ目をなぞると、カオルはびくっと身体を震わせ、喉の奥から小さな悲鳴のような喘ぎ声を上げた。
「ひっ……んんっ……!」
その声は、驚きと快感に揺れていた。俺は、もう一度だけ、指先に力を込め、割れ目を撫でる。すると、ショーツの布地が、じゅる……と湿った音を立てた。カオルの身体が、俺の指の動きに合わせて、熱く、甘く蕩けていくのがわかる。
「んんっ……ああ……ゆ、ユウくん……」
カオルは、俺の名前を甘く囁くと、潤んだ瞳で俺を見つめてきた。その瞳には、快楽と羞恥心、そして、長年募らせてきた想いが、入り混じっていた。俺は、カオルのそんな表情に、どうしようもなく興奮していた。
「ユウくん……ずるいっ。わたしも……触りたいよ」
カオルは、甘く蕩けた声でそう囁くと、俺の制服のファスナーに手をかけた。がさがさと乾いた音が響き、ファスナーがゆっくりと下りていく。そして、彼女の小さな手が、もぞもぞと俺のトランクスの中へと潜り込んできた。
俺は、カオルを抱きしめた。その身体に腕を回すと、カオルは驚いたように息をのむ。だが、すぐに俺の膝の上に乗り上げるようにして、ぱっと花が咲くような笑顔を見せた。その輝きは、俺の心を温かい光で満たしていく。 カオルが俺の顔を覗き込むように振り向くと、甘い香りがふわりと鼻腔をくすぐった。シャンプーの、昔と変わらない懐かしい匂い。カオルの目が、俺の瞳をじっと見つめている。そして、やわらかい唇が、そっと俺の唇に押し当てられた。 それは、鳥の羽のように軽くて、一瞬で終わるものだった。だが、カオルの唇が離れた後も、その温かさと柔らかい感触が、俺の唇に残り続ける。俺は、まるで夢を見ているかのようだった。長年想い続けたカオルからの、突然のキス。喜びと戸惑いが、俺の心をかき混ぜる。「ん……」 カオルは、もう一度だけ、俺の唇にキスをした。今度は、少しだけ熱を帯びた、吸い付くようなキスだ。その熱が、俺の身体中にじんわりと広がっていく。カオルの吐息が、俺の唇にかかり、甘い匂いを運んできた。俺は、その香りを胸いっぱいに吸い込み、カオルを抱きしめる腕に、さらに力を込めていた。「それって……襲っちゃっても良いってことなのか?」 俺の声は、掠れて震えていた。カオルは俺の膝の上で、嬉しそうに身じろぎする。「えへへ♪ それって、わたしを襲ってくれるってこと?」 カオルは、子猫のように甘い声でそう囁くと、俺の首に腕を回した。その瞳は、期待と少しの照れでキラキラと輝いている。「わたしは……ずっと待ってたから……いいよ?」 彼女の言葉に、俺はもう、何も考えられなくなった。カオルの柔らかな身体が俺に密着し、甘い香りが俺の理性を完全に焼き尽くしていく。俺は、カオルの首筋に顔を埋め、深く息を吸い込んだ。 俺の膝の上で、カオルは甘い声でそう囁くと、俺の首に腕を回し、顔を覗き込むように振り向いた。その瞳は期待に潤み、子猫のように甘く細められている。そして、俺の唇に、もう一度、熱を帯びた唇を重ねてきた。 ちゅ、と小さなリップ音を立てて、カオルの舌先が俺の唇を優しくなぞる。それはまるで、長年閉ざされていた扉をそっと開けるような
その瞬間、俺の心は、不思議なほどに静かになった。これまで俺を苦しめていた、カオルへの怒りや嫌悪感が、まるで嘘のように消え去っていく。そして、代わりに、彼女をもう一度、受け入れたいという気持ちが、静かに、そして強く湧き上がってきた。 俺は、カオルがどんな過去を抱えていようと、俺がどんな光景を見てしまっていようと、それでも彼女が好きだということを、再認識した。目の前で俯いている、傷つき、弱っている彼女を、今度こそ俺が守りたい。そんな、強い感情が、俺の胸に込み上げていた。「お前、また、”美形で金持ち”とか、”安定した職業のイケメン”とか、言い出すんじゃないのか?」 そう俺が尋ねると、カオルは慌てたように首を横に振った。「へ? あぁ、ないない……わたしだってね、ずっとユウくんが好きだったんだから……お金持ちや美形は、もうイヤだよ」 カオルは、少し涙目で、でも力強くそう言い放った。その言葉は、俺の心を温かく包み込んでいくようだった。「あの時から変わってないし!何度も告白されて……嬉しかったんだから。恥ずかしくて”うん”って言えなかった……ごめんね」 カオルの言葉に、俺はただ黙って、彼女を見つめることしかできなかった。彼女の目には、もう嘘はなかった。それは、純粋な、俺への想いだった。俺は、もう迷うことはなかった。 俺は深くため息をつき、部屋の中を改めて見渡した。部屋のあちこちに散りばめられた、俺とカオルの思い出の品々。写真立てには、二人が笑い合っている写真が飾られていた。小学生の頃に俺がプレゼントした、不格好な絵や、折り紙で折った花や動物。ポケットマネーをはたいて買った、安物のネックレス。そういった物が、大切そうに、部屋の隅々に飾られていた。 ああ……、そうか。最近、カオルが俺を部屋に入れてくれなかった理由はこれだったのか。この、俺との思い出の品々を見せるのが恥ずかしかったのだろう。だが、今日はそんなことを気にしていられ
俺は思わず、心の中で叫んだ。 は? あの時、キスしてただろ? 嘘つき! 茂みの向こうから、はっきりとキスする音が鳴り響いてたっての。 俺がムスッとした顔をしていると、カオルは俺の顔色を伺うように、言葉を続けた。「小学校の……中学年の頃かな。ユウくんの家に泊まりに行ってさ。ユウくんが寝てる時にね……ファーストキスしたんだぁ」 彼女は照れたように、でも少し得意げに、唇に指を当ててみせた。その言葉に、俺の頭の中は再び混乱する。彼女が言うファーストキスは、俺が知らない間に起こっていたことだった。そして、俺が目撃した校舎裏でのキスは、彼女にとっての初めてではなかった。彼女の言葉は、俺の知らない過去を語っているようだった。「ユウくんも好きだって言ってくれてたし、わたしも好きだったから……いいかなって。ちなみにね……唇にだよ」 はぁ……まったく。そういうことを、今、言うのかよ。あぁー、はいはい。俺の負けだよ……。カオルには敵う気がしない。俺は、もう何も言い返せない。 カオルの言葉は、俺の知らない過去の純粋な思い出と、俺が目撃してしまった今の淫らな現実を、ごちゃ混ぜにしていく。俺の心は、もはやどちらが本物なのか、見分けることができなくなっていた。彼女の言葉は、まるで俺の心を解体して、再構築しようとしているかのようだった。 彼女の目を見つめると、そこには昔と変わらない、無邪気で、少しだけ意地っ張りな少女がいた。だが、その背後には、俺が知らない間に彼女が経験してきた、傷と汚れの影が、はっきりと見えていた。 俺は、この複雑な感情を抱えたまま、彼女と向き合わなければならないのだろうか。そう思うと、俺はただ、深い、深い溜息をつくことしかできなかった。「そうなんだ……」 俺がやっとのことで絞り出した言葉に、カオルはさらに信じられない言葉を続けた。「……うん。そうなの。えっと&h
カオルは、俺の隣で、再び深い溜息をついた。「はぁ……ユウくんも、あの噂聞いちゃったよね?」 その言葉に、俺は胸の奥がざわつくのを感じた。噂じゃなくて、俺はすぐそこで見てたんだけどな……。そう心の中で呟く。だが、ここで本当のことを言うわけにはいかない。もし嘘をつこうとしているなら、付き合っても同じように嘘をつくだろう。友人としての関係さえ、もう終わりだ。いっそ「俺、そこにいたから!」と言い放って、二度と彼女に関わらないようにするべきか。そんな考えが一瞬頭をよぎった。 カオルの瞳は不安そうに揺れていた。彼女が俺の反応を待っているのが痛いほど伝わってくる。俺は、嘘をつくべきか、それとも真実を告げるべきか、迷っていた。「あぁー、まあな」 俺が曖昧な返事をすると、カオルはさらに深く、ため息をついた。「はぁ……だよね。教室でバラされちゃったしね。もう最悪だよ」 いや、最悪だったのは俺の方だ。俺はそう心の中で叫んでいた。長年好きだった相手が、他の男と愛し合っている姿を見せつけられたんだ。こんな最悪なこと、あるかよ。俺は、やり場のない怒りと、どうしようもない悲しみが入り混じった感情を、必死で押さえ込んでいた。 カオルの言葉は、まるで他人事のように聞こえた。彼女にとっては、ただ単に噂が広まってしまったことが最悪な出来事なのだろう。その認識のずれが、俺の心にさらなる溝を刻んでいく。俺は、彼女の隣に座っているのに、その心はまるで遠い場所にいるかのようだった。 俺は何も言えず、ただ黙って、天井を見つめていた。 カオルは、もう一度大きなため息をついた。「先輩とデートしてさぁ……遊園地とか買い物してご飯をおごってもらって……」 ぽつりぽつりと、壁や窓の外を眺めながら話し始めた。その横顔は、遠い記憶を辿っているかのようだ。俺は黙って耳を傾ける。カオルが語る先輩との思い出には、一切の嫉妬や不快感は湧かなかった。なぜなら、俺はその後の結果を知っているからだ。彼女が「
「わっ。ユウくん、どうしたの? 心配で訪ねてきてくれたとか?」 カオルの言葉に、俺は一瞬詰まった。心配……か。正直、自分でもよくわからなかった。だが、元気そうなカオルの笑顔を見て、胸の奥にじんわりと安堵感が広がったのは事実だった。「ま、まあ、そうだな。元気そうで良かった。顔を見に来ただけだから……帰るなー」 俺はそう言いながら、踵を返そうとした。俺は一体、何をしに来たんだ? ただ、学校をサボりたかっただけなのか? 自分でもわからない感情に、俺は戸惑っていた。 そんな俺の背中に、カオルの明るい声が再び響く。「もぉ。ユウくん!ちょっと待って。上がっていきなよっ。こんな時間に行っても遅刻でしょ? ねぇ、せっかくなんだしさ……」 俺が踵を返そうとしたその時、カオルが玄関の奥から、フード付きの可愛らしいパーカーを羽織って出てきた。部屋着のままの姿だった。「そんなつもりで来たんじゃねーし……」 俺は、彼女の部屋着の姿を見て、思わず言葉を漏らした。だが、自分でも何のためにここに来たのか、正直わからなかった。カオルの元気な顔を見て安心したのも、そして部屋に誘われて、心のどこかで嬉しかったのも事実だ。 俺の心は、懐かしさと、安堵と、そしてほんの少しの期待でぐちゃぐちゃになっていた。俺は、自分でも制御できない感情に、ただただ戸惑うばかりだった。 やっぱり、俺にはまだ未練があるのか。もし本当に吹っ切れていたなら、学校をサボってまで会いに来るはずがない。そう自問自答しながら、俺はカオルをまともに見ることができなかった。自分の行動が、過去の清算のためなのか、それともまだ彼女に惹かれているからなのか、その答えを見つけられずにいた。「ほら、こっち……家に誰もいないから遠慮しないでってば!」 強引に腕を掴まれ、カオルの家に引きずり込まれる。あの時、不快感を覚えたはずなのに、彼女に触れられた腕に、ドキドキと心臓が早鐘を打っていた。俺は、その心臓の音を誤魔化すように、た
俺はそう言い放ち、彼女の腕を振り払うと、足早に立ち去った。カオルの、悲しみに満ちた表情が、俺の瞼の裏に焼き付いて離れなかった。かつての純粋な彼女の笑顔と、今の悲しい表情が、俺の心の中で激しく交錯していた。 カオルから積極的に声をかけられたり、あの日のように触れられたりするたび、俺の胸には懐かしさがこみ上げてきた。小学校からずっと続いた、気兼ねなく笑い合った日々。そんな温かい思い出が、冷え切った心にじんわりと染み渡るようだった。 しかし、その懐かしさも束の間、すぐに校舎裏で見てしまったあの光景が脳裏に焼き付くように蘇ってくる。快楽に蕩けたカオルの表情、生々しい肉のぶつかり合う音、淫らに揺れる身体。純粋な思い出は、不快な感情と混ざり合い、ぐちゃぐちゃになっていく。 まるで、幼い頃に大切にしていた宝物が、泥水に浸されてしまったかのような感覚。どれだけ拭い去ろうとしても、その汚れは簡単には落ちない。カオルと過ごした過去が、美しく輝くものから、見たくない、触れたくない、汚れたものへと変わってしまったようだった。 あの時、俺が感じたのは、ただの嫌悪感だけではなかった。裏切られたような絶望と、二度と戻れない過去への喪失感。それらが複雑に絡み合い、俺の心を蝕んでいく。 同時に、身体の奥底から込み上げてくる熱に、俺は抗えなかった。カオルの、あの淫らな姿を思い出すだけで、どうしようもなく興奮してしまう自分がいた。その感情が、俺の心をさらに深く混乱させる。俺は、ベッドに横たわり、久しぶりに自分の息子を扱いていた。快感に震えながらも、俺の心は、懐かしさと不快さの間で、激しく揺れ動いていた。 かつて愛した少女の姿が、今では快楽の対象となってしまった。その事実が、俺の心を深く、深く蝕んでいく。俺は、快楽に身を任せながらも、心の中では、二度と戻らない、純粋だった日々を思っていた。この感情は、一体どこへ向かうのだろうか。俺には、もう分からなかった。 翌朝、ベッドの中でぼんやりとスマートフォンを眺めていると、珍しくメッセージの通知が届いた。差出人はカオルだった。俺は、眉間に皺を寄せながら画面をタップする。『ごめん。今日やっぱり休むね。学校に行きづらいし&